スピンドル塗装とは?よくある疑問にまとめて答えます
樹脂部品や金属部品の量産塗装の分野で、近年注目が高まっている方式のひとつが「スピンドル塗装」です。
名前は聞いたことがあっても、「普通のスプレー塗装と何が違うのか」「本当に品質は安定するのか」と疑問を持つ方は多いのではないでしょうか。
本コラムでは、スピンドル塗装に関するよくある疑問に、Q&A形式で答えていきます。
Q1. スピンドル塗装とは?普通のスプレー塗装と何が違う?
スピンドル(回転軸)に取り付けたワーク(製品)を回転させながら塗装する方式です。
「回転塗装」とも呼ばれます。
一般的なスプレー塗装とスピンドル塗装との最大の違いは”ワークが回転する”ことです。
スピンドル塗装(回転塗装)には大きく分けて2つの方法があり、
1つ目は固定されたガンの前をワークが自転しながら通過するもの。
2つ目はドーナツ状のリングにワークが固定されリングが自転し、且つガンも動くもの。があります。
一般的なスプレー塗装と比べ、どちらの方法も塗着効率UP、仕上がり、品質安定性などのメリットがあります。
弊社では後者のスピンドル塗装設備を導入しております。


Q2. なぜ塗料の無駄が減るのか?
ガンが高速で動くと噴霧したミストが乱れて拡散し、粒子の速度も落ちるため、ワークに届く前に漂って塗着しにくくなります。
ワークを回転させる方式では、ガンから噴霧された塗料をワーク自らが迎えにいく形になるため粒子速度が維持され、また、ワークの隙間から通過する塗料も後ろからくるワークに塗着することで全体の塗着効率があがります。
ガンを往復させる際の折り返し点で発生するオーバースプレーによるロスはシリンダーで制御することで大幅に減らすことができます。
設備メーカーによる流体解析では従来のワーク固定タイプのロボット塗装では約70%の塗料が廃棄されていたものがスピンドル塗装では約50%まで下がるという結果が示されています。

Q3. 品質は本当に安定するのか?
スピンドル塗装は、回転するワークに対して薄い塗膜を何度も塗り重ねていく方式です。
塗り重ね回数(パス数)は従来方式の約3倍にのぼり、少ない塗料で均一な塗膜を形成できます。
「速く塗ると品質が落ちる」のが従来方式の宿命でしたが、スピンドル塗装では塗装条件を変えずに複数ワークを同時に塗り上げるため、量産時も1個ずつの仕上がりが揃いやすいのが特徴です。
均一さが求められる高級感のある仕上げにも対応できます。

Q4. どんな製品に向いているのか?
同じ形状の製品を大量に塗装する用途に最も力を発揮します。
実績のある分野は 自動車ドアハンドル、ドアミラー、加飾パネルなどの内外装部品、家電、理美容機器、メガネ、釣具のリールなど。樹脂製品だけでなく、アルミや亜鉛といった金属製品にも適用できます。
一方でワークを回転させる原理上、回転治具への取り付けがあり、ワークの形状やサイズに制約があるため、スピンドル塗装よりも手作業によるスプレー塗装の方が合理的な場面もあります。
方式ありきではなく、製品と生産量に応じた使い分けが大切です。
まとめ
スピンドル塗装は、「動くのはガンかワークか」という発想の転換によって、量産・品質・塗料削減を同時に成立させた塗装方式です。
量産塗装の工程や外注先を検討する際は、選択肢のひとつとして押さえておく価値があります。
柿原工業では、デジタル対応のスピンドル塗装ラインを構築し、樹脂・金属製品の量産塗装を手がけています。
「自社の製品に向いているか知りたい」といったご相談も歓迎です。お気軽にお問い合わせください。








